生きるための自炊術

 諸事情から、アルバイトで稼いだお金には手を付けないような節約生活を今年は送っている。大学生活が始まった当初は苦労して稼いだアルバイトのお金を使わずして何になるという精神論で、口座に振り込まれるお金は靴やカメラや鞄や旅費に消えていった。それはそれで楽しかった。

 しかし私には貯金しなければならない大目標みたいなものができて、それまでの生活を改めた。にしても貯まっていくお金というのは学生の身分であるからごく僅かであり、通帳の残高は牛歩のレベルでしか増えていかないのだが。

 貯金をする方法は、大まかに3通りに分かれるだろう。1つは、当たり前だが収入を増やす。しかし大学生活という時間は自分なりに大切にしたいから却下。短時間で高収入は精神がやられそうだから却下。

 2つ目は、お金自体を増やす。これは直感的に怖いし、お金を増やす知識を身に付けなければならないから却下。

 残る選択肢が、「限られた収入の中で、支出を抑えて貯蓄に回す」である。私はこの当たり前の方法を採択することにした。まずは支出を見直す。飲み代などの「交際費」を削ってしまうとさすがに生きている意味が分からなくなってしまう。映画くらいは見に行く「娯楽費」は、精神的な活力として必要となってくる。化粧水やシャンプー代、予防医療としての医者代は避けられない。

 すると一番削ることが出来そうなのは、当たり前だが自分の肉体を維持するための「食費」である。この食費を、いかに戦略的に、効率的に、最低限の努力で最大限の利益を上げるかが私の課題であった。且つ、必要な栄養素を摂取しなければ私の脆い身体はすぐに悲鳴を上げてしまうのは分かっている。

 大目標のためには机に向かう必要があったので、必然的に気力が机の上に注がれる。加えてアルバイトの後でも自炊をしなければならない時がある。台所に向かう時には、搾りかすのような肉体で料理をしなければならない。自分のためだけにする料理というのは、端的にいって「だるい」。しかし何か食べなければ肉体に負担が回る。考えられる症状として、アトピー性皮膚炎の悪化、流行り風邪やインフルエンザへの感染等が思い浮かぶ。そしたら実家へ強制送還だ。働きだしたら体調管理も仕事の一つになるだろう。

 生存を巡る小さな闘いの中で、私は「楽で」、「それなりに美味しくて」、「栄養も摂れる」自炊術を身に付けた。

 これから飽きるまで、その自炊レシピを公開していきたい。多分、誰かのためになるような気がする。テキトーに、それなりに美味しいものを作ろうよ。